全国の療護センター

療護センターとは?

「療護センター」とは「NASVA療護施設」の一つで、自動車が関係する交通事故により脳を損傷し、重度の後遺障害(遷延性意識障害)を負った方のための専門病院です。

NASVAとは、独立行政法人自動車事故対策機構の略称です。
NASVA療養施設には(1)療護センター(自動車が関係する交通事故により脳を損傷し、重度の後遺障害(遷延性意識障害)を負った方の専用病棟として設置された施設)と(2)委託病床(一般病院の一部を使って運営される病床で、療護センターに準じた治療・看護を行っているもの)があります。
【ナスバ療護施設のパンフレット】
https://www.nasva.go.jp/sasaeru/pdf/pamphlet.pdf

全国の療護センター

令和2年1月現在で療護センターは全国に4か所、委託病床は全国に7か所あります。

【千葉療護センター】 80床 http://www.chiba-ryougo.jp/

【東北療護センター】 50床 http://www.touhoku-ryougo.com/

【中部療護センター】 50床 http://chubu-ryougo.jp/

【岡山療護センター】 50床 http://www.okaryougo.jp/

療護センターの特色

(1)高度先進医療機器を用いた医療及び看護

療護センターによっても設置されている機器は異なりますが、 CT(X線断層撮影装置)、 RI(SPECTを含む)(核医学画像診断装置)、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)、 PET(陽電子放射断層撮影装置)、 MEG(全頭型脳磁場計測装置)などが設置されています。
これらの最新機器があることで、残存する脳機能や新たな脳機能の出現の評価など行うことが可能になっています。
遷延性意識障害の方の場合には機能の回復が目に見える形で出現するには時間がかかりますが、画像による評価であればわずかな機能回復も見逃さずに把握することができます。

(2)プライマリー・ナーシング方式による看護

「プライマリー・ナーシング」とは、基本的に同じ看護師が一人の患者さんを継続的に受け持つ方式の看護方法です。
同じ看護師が同じ目線で毎日患者さんの状態を観察することができるため、患者さんのわずかな変化に気が付くことが可能になり、より細やかな看護やケアができます。
このプライマリー・ナーシングは療護センターにおける最大の特色です。
遷延性意識障害の方は意思疎通ができないため看護師の側がわずかな体調変化や機能回復などを把握することが重要ですが、このプライマリー・ナーシング方式を採用することで、そのような体調変化や機能回復を早期に発見できるため患者さんの治療や回復に非常に役立つことになります。

(3)ワンフロア病棟システム

「ワンフロア病棟システム」とは、病室の仕切りやベッドとベッドの間の壁を取り払うことで病棟全体を一つのフロアにしたものです。
ナースステーションからは患者さんの状態が常に観察できるため、遷延性意識障害の患者さんの体調変化やわずかな意識回復の兆しを早期に把握することができるようになっています。
当事務所の弁護士も療護センターに入院されている方に面会するため何度も病棟に伺わせていますが、病室の仕切りなどがないことで病棟は開放的でとても明るく感じます。